ロシア、黒海で民間船攻撃の可能性 「偽旗作戦」準備か 米
(CNN) 米国家安全保障会議(NSC)のホッジ報道官は22日までに、ロシアが黒海で民間船を攻撃し、その責任をウクライナへ押しつける可能性があるとの見方を示した。
また、ロシアはウクライナの港湾へ通じる海域で新たな機雷を設置したとの声明も発表した。
ロシアは、黒海を通じたウクライナからの食料輸出協定への参加停止を発表。ロシア国防省は19日には、ウクライナの港に向けて黒海を航行する全船舶を「軍事運搬船」とみなすとして攻撃する可能性もにじませていた。
ホッジ報道官は「黒海での民間船へのいかなる攻撃も正当化し、その責任をウクライナ側へ転嫁させる組織的な取り組みと受け止めている」と述べた。
食料輸出協定はトルコと国連の仲介で1年前に成立したが、ロシアが延長に応じず18日午前0時に失効した。協定では、ウクライナ産穀物を積んだ船舶の黒海を経由したトルコのボスポラス海峡への安全航行を保証していた。
協定の失効以降、ロシアは黒海に臨むウクライナの港湾都市オデーサへのミサイルやドローン(無人機)攻撃を連日仕掛けている。ホッジ報道官によると、これら攻撃では農産物の保管施設などが狙われ、穀物約6万トンが失われたという。
一方、米中央情報局(CIA)のバーンズ長官も22日までに、ロシアが黒海で船舶を襲う「偽旗作戦」を準備している可能性があるとの見方を示した。
米コロラド州アスペンで米シンクタンクが開いた安全保障問題関連会合で述べた。
長官は「ロシアがウクライナでの戦争開始へ向けて謀った、(自作自演で危機を演出する)偽旗作戦のようなものを検討していることを示す非常に懸念を抱かせる兆候が一部ある」と指摘。換言すれば、黒海で船舶を攻撃し、責任をウクライナ側になすりつける方途を探しているとした。