ロシアとの囚人交換で釈放の元米海兵隊員、ウクライナで戦闘中に負傷
(CNN) ロシアで3年近く不当に拘束され、昨年4月に囚人交換で釈放された元米海兵隊員のトレバー・リード氏が、ウクライナで戦闘に参加していて負傷したことが分かった。事情に詳しい関係者が25日、CNNに語った。
同関係者によると、リード氏は首都キーウの病院へ運ばれ、さらにドイツに移送された。
負傷した時の状況は今のところ不明。米ニュースサイト「ザ・メッセンジャー」が最初に報じた。
米国務省の報道官は25日の記者会見で、リード氏がウクライナで戦闘中に負傷したことを把握していると述べた。
米当局者の話によれば、同氏はドイツのラムシュタイン米空軍基地に近い米軍病院で治療を受けている。
同報道官は別の米政権当局者とともに、リード氏が米政府のための活動に従事していたわけではないと強調。米国民にはウクライナへ行ったり、戦闘に参加したりしないよう、当初から極めて明確に警告してきたと述べた。特に戦闘に加わる目的で渡航した場合は、拘束されたり死亡または負傷したりする大きなリスクにさらされることを指摘してきたという。
ブリンケン米国務長官は同日、訪問先トンガでの記者会見で、リード氏が戦闘に参加していたことにより、ロシアとの間で現在進めている米国人2人の解放交渉に影響が及ぶ可能性はないと断言した。
リード氏は2019年夏にモスクワ市内で拘束された。酒に酔って警官と口論になり、警官を危険にさらしたとして、1年後に禁錮9年の刑を言い渡された。リード氏側は犯行を否定した。
米政府は「不当な拘束」と認定し、本人の健康状態が悪化しているとしてロシア側に解放を求めた。数カ月に及ぶ交渉の末、麻薬密輸の共謀で有罪となったロシア人との囚人交換が成立した。