米政権、トルコへのF16売却を議会通知 スウェーデンNATO加盟承認で

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トルコ・バルケシルの基地に駐機するトルコ空軍のF16戦闘機/Ali Atmaca/Anadolu Agency/Getty Images

トルコ・バルケシルの基地に駐機するトルコ空軍のF16戦闘機/Ali Atmaca/Anadolu Agency/Getty Images

(CNN) バイデン米政権は26日、トルコのエルドアン大統領が前日にスウェーデンの北大西洋条約機構(NATO)加盟を承認する文書に署名したことを受け、連邦議会にトルコへF16戦闘機を売却する意向を伝えた。1年以上目立たない形で続けられていた複雑な交渉を締めくくる動きとなった。

トルコの批准書が米国務省に寄託された後、国務省は連邦議会に230億ドル(約3兆4000億円)規模のF16売却案を正式に通知。国務省はギリシャへの86億ドル規模のF35売却計画についても議会に通知を送付した。連邦議会はどちらの売却についても承認する見通しだ。

ブリンケン国務長官はスウェーデンのNATO加盟に反対するエルドアン氏を翻意させるため、トルコの当局者や米国の議員と幅広い交渉を重ねていた。合意が成立すればトルコはF16を受け取るという算段だった。

米当局者によると、スウェーデンとフィンランドが2022年5月に初めてNATO加盟を申請したとき、トルコは米国を直接交渉に引き込もうとしたものの、米国側はこれを拒んだ。ただ、米国は必要ならF16という重要な交渉カードがあることを認識していた。

トルコが23年3月にフィンランドのNATO加盟を承認すると、ブリンケン氏はスウェーデンの加盟についても昨年夏のNATO首脳会議までに承認を取り付けるべく、水面下で奔走した。NATO首脳会議はリトアニアの首都ビリニュスで開催された。

ブリンケン氏は23年2月にトルコを訪問した際、エルドアン氏と会談。エルドアン氏はスウェーデンの加盟を承認する前に米国がF16を供与する必要性を強調した。一方、ブリンケン氏はトルコがスウェーデンのNATO加盟を承認するまで、連邦議会はF16売却を承認しないと重ねて伝えた。

米当局者によれば、米政権はこの時点で、より直接的にF16を交渉材料として活用する方針を決めたという。

交渉の末、トルコ議会は23日、スウェーデンのNATO加盟を投票で承認。25日にはエルドアン氏が批准書に署名した。

その後、批准書はトルコから米国に送られ、国務省の保管庫に物理的に寄託された。この保管庫はNATOの条約保管所として使用されているという。

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