除名共和議員の補選、民主党候補が勝利確実 米下院NY州
(CNN) 米共和党のジョージ・サントス下院議員が経歴詐称などで除名されたことに伴うニューヨーク州下院第3選挙区の補欠選挙が13日に実施され、民主党穏健派のトム・スオジ氏(61)が勝利を確実にした。共和党優位の下院で、両党の差が縮小する。
共和党候補のマジ・ピリプ氏(44)は投票が締め切られた後、1時間半以内に敗北を認めた。
スオジ氏は下院議員を3期務め、2022年に知事選に出馬したが敗北していた。ピリプ氏はエチオピア生まれのイスラエル移民で、イスラエル軍に従軍した経歴を持つ。
スオジ氏は補選での勝利を受け、来年1月までの任期を務める。その結果、下院では多数派の共和党と民主党の差がわずか2票となり、政府支出をめぐる採決などに影響が及ぶ可能性もある。
共和党は22年の選挙で、第3選挙区などニューヨーク市近郊の数議席を民主党から奪っていた。同州は今年秋の選挙で再び、下院の支配権をめぐる勢力争いの焦点になることが予想される。
補選の争点となった移民、人工妊娠中絶の問題やイスラエルとイスラム組織ハマスの軍事衝突、バイデン大統領とトランプ前大統領に対する立場などは、秋の選挙戦でも重要なカギとなる可能性がある。
ニューヨーク市の移民問題などをめぐる共和党の攻撃に対し、積極的に立ち向かったスオジ氏の戦法は、再選を目指すバイデン氏やほかの民主党候補らのヒントになるかもしれない。
バイデン陣営のロドリゲス選対本部長は補選の結果について、トランプ前大統領と親トランプ派議員らの敗北だと語った。