6歳でポリオ感染、「鉄の肺」で生き抜いた米国人男性が死去 78歳

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ポール・アレクサンダーさん=2019年、米テキサス州ダラス/Allison V. Smith/Guardian/eyevine/Redux via CNN Newsource

ポール・アレクサンダーさん=2019年、米テキサス州ダラス/Allison V. Smith/Guardian/eyevine/Redux via CNN Newsource

(CNN) 6歳でポリオに感染して首から下がまひし、過去70年の大半を「鉄の肺」と呼ばれる巨大な人工呼吸器で過ごした米国人男性ポール・アレクサンダーさんが11日午後、死去したことが分かった。兄弟のフィリップさんが明らかにした。

ポールさんの死は12日、募金サイト「ゴー・ファンド・ミー」に開設された住宅費や医療費を募るページで発表された。

フィリップさんはゴー・ファンド・ミーのページに「全てのコメントを読んで、これほど多くの人がポールから勇気をもらっていたことを知り、信じられない思いでいっぱい。ただただ感謝している」と書き込んだ。

正確な死因は不明。新型コロナウイルスに感染して3週間前に入院していたが、今週の時点ではもう陽性反応は出ていなかった。

ポールさんは1952年夏、6歳でポリオを発症した。米疾病対策センター(CDC)によると、当時はポリオの流行が最悪期を迎えていた時期で、米国ではまひ性ポリオの症例が2万1000件あまり記録された。

CDCによれば、50年代後半に開発されたワクチンのおかげで、今日ではポリオは撲滅されたと考えられている。

ポールさんはポリオの影響で首から下がまひし、自力で呼吸できない状態に。自伝によると、空気の圧力を変えて呼吸を刺激する大型の金属筒「鉄の肺」に入れられた。

ポールさんの母親はこの自伝の中で、「生きるのは不可能だろうと医師から告げられた」と振り返っている。

ポールさんはその後70年間を鉄の肺の中で過ごし、2023年3月にはギネス・ワールド・レコーズから「鉄の肺を使用する世界で最も長生きの存命患者」に認定された。

逆境にあってもポールさんの野心がくじかれることはなかった。呼吸法を習得した結果、数時間連続で鉄の肺から出ることが可能に。大学を卒業して法学の学位を取得し、30年間にわたって法廷弁護士を務めた。

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