元米海軍作戦副部長を汚職容疑で逮捕、訓練契約発注で 司法省
(CNN) 米司法省は2日までに、政府との事業契約を特定の民間企業との間に仕向けた疑いがあるとして米海軍作戦副部長の要職を務めたこともあるロバート・バーク退役海軍大将を逮捕したと発表した。
米国の欧州軍およびアフリカ軍の海軍司令官などとして在任中の画策とされ、バーグ容疑者は便宜供与の見返りとして高報酬の地位の提供を受けていたという。汚職、共謀、金銭面での個人的な利益の追求や重大な事実の秘匿の罪に問われている。
この民間企業の共同最高経営責任者(CEO)とされる2人も汚職や共謀容疑で同じく逮捕された。有罪が確定した場合、バーク容疑者は最大で禁錮30年、共同CEOの2人には最大で禁錮20年の判決が下される可能性がある。
米海軍幹部はCNNへ寄せた声明で、事態を極めて深刻に受け止めていると指摘。捜査には初期の段階から全面的に協力してきたとした。一方、バーグ容疑者の弁護士はCNNの取材に、検察側の主張を否定、法廷で争う方針を示した。
検察側によると、容疑者はイタリアやスペインでの海軍部隊への訓練供与で同企業が米政府との契約を受注できるよう内密に支援。また、容疑者はこの企業が一層の利益を見込める訓練契約の獲得へ向けての協力にも同意していた。この訓練契約の規模は「億ドル」相当で、米海軍の訓練のかなり重要な部分を占めていたという。
法廷文書では企業の名前は伏せられている。ただ、「ネクストジャンプ」社の公式サイトでは今回摘発された2人を共同CEOとしているのが確認された。また、法廷文書と内容が一致する米海軍との事業契約への言及もあった。
検察によると、バーク容疑者は同社で2022年10月から職務を開始。年収は当初、50万ドルとの契約だった。容疑者は同社との結託を隠すため事業契約を固める過程に関与していないと米海軍に再三うそをついていたともした。