イスラエルへのF15機大量売却に弾み、米民主党重鎮が承認
(CNN) バイデン米政権が進めていたイスラエルへの大規模な兵器売却計画にこれまで難色を示していた米民主党の重鎮議員2人が20日までに承認する姿勢に転じ、同計画の実現に弾みがつく見通しとなった。
この売却案は、F15型戦闘機50機を含む180億ドル(約2兆8440億円)以上相当。パレスチナ自治区ガザ地区で昨年10月7日に戦闘が勃発して以降、イスラエル向けとしては最大規模の兵器輸出になる。
計画は連邦議会へ正式に通知される手続きに入るとみられる。
計画にこれまで同調してこなかった民主党議員2人は、米下院外交委員会で民主党の筆頭格であるミークス議員と、上院外交委員会のカーディン委員長。
ミークス議員は20日までの声明で、イスラエルの自衛の権利への支持は変わらないと指摘。その上で、ホワイトハウスと密接な接触を続け、人道支援努力と一般人の犠牲者を抑えるための顕著かつ具体的な改善策を打ち出す圧力をイスラエルに加えるよう促してきたと述べた。F15機は、イスラエルへ数年は引き渡されないだろうともつけ加えた。
一方、カーディン議員の報道担当者は、兵器売却計画を再検討して承認を与えたと説明。議員が抱いていた懸念や疑問点の全てがホワイトハウス側との協議で取り上げられたとした。
バイデン大統領はイスラエルにガザでの戦闘終結を迫る姿勢を強め、最南部ラファ市中心部への侵攻に踏み切れば兵器提供を中断するとの警告も発している。民主党内では人道支援の停滞や民間人の被害拡大を受け、米国の対イスラエル支援に付ける条件を増やすようホワイトハウスに求める声も広がっている。
兵器売却計画に通じる関係者2人によると、バイデン政権は今年1月下旬に上下両院の外交委員会にF15機のイスラエルへの輸出案を非公式に通知。議員が計画の詳細を知り、疑問があるのなら質問できる時間的余裕を考えての措置だった。順調に行けば、最後には米国務省が売却計画を全ての議員に正式に通知する段取りとなる。
関係者によると、上院外交委に所属する共和党の最上位議員は計画を承認。下院外交委の委員長である議員も同意しているという。