トランプ氏銃撃の会場で死亡した観客、身を投げ出して家族守った「英雄」
(CNN) 米国のドナルド・トランプ前大統領がペンシルベニア州で演説中に銃撃された事件で、死亡した観客は消防士のコリー・コンペラトーレさんと判明した。ペンシルベニア州知事が14日の記者会見で明らかにした。
事件は13日、同州バトラーで行われたトランプ氏の演説中に発生。会場には数千人の観客が詰めかけていた。死亡したコンペラトーレさんの身元は州警察が14日に確認した。ジョシュ・シャピロ州知事は、コンペラトーレさんが自分の家族を守ろうとして命を落としたと述べ、「コリーは英雄として死んだ」「身を投げ出して家族を守った」と語った。
ペンシルベニア州警察によると、コンペラトーレさんのほかに、いずれも同州在住の57歳男性と74歳男性の2人が重傷を負った。2人とも容体は安定しているという。
ジョー・バイデン大統領は14日午後、コンペラトーレさんの遺族に哀悼の意を表した。
目撃者はCNNの取材に対し、銃撃事件の発生で会場は大混乱に陥ったと振り返った。容疑者は会場近くの建物の屋上からAR式ライフル銃数発を発砲。トランプ氏は飛び込んできたシークレットサービス(大統領警護隊)の警護隊員に守られながら演説台の背後にかがみ、聴衆は悲鳴を上げて地面にうずくまった。
会場にいた外科医のジョセフ・メインさんは、撃たれた男性を会場から運び出すのを手伝ったといい、「誰もが叫び声を上げ、救急車を呼べと怒鳴っていた。血まみれの現場だった」と振り返る。
銃声が聞こえたのはメインさんがトランプ氏の演説を撮影していた時だったといい、「2~3秒の間に複数の銃声が連続して聞こえた。すぐに銃声だと分かった」と証言。「彼が撃たれるのを見た」と話している。