(CNN) 米国のニッキー・ヘイリー前サウスカロライナ州知事は25日、CNNのインタビューに答え、共和党の大統領選予備選を戦う中でトランプ前大統領について口にした「厳しい内容」を謝罪しない意向を示した。一方で11月の本選に当たり、民主党の候補指名を確実にしているハリス副大統領ではなくトランプ氏を支持するとした自身の選択には疑念を抱いていないと述べた。
ヘイリー氏がインタビューを受けるのは、共和党の全国大会でトランプ氏への支持を表明して以降初めて。
バイデン大統領が選挙戦からの撤退を発表したことに驚きはなかったとしたヘイリー氏だが、代わって大統領候補に浮上したハリス氏については民主党が立て得る「最もリベラル色の強い政治家の一人」「最弱の候補者」などと評した。
ただハリス氏が「DEI(多様性、平等、インクルージョン)の枠で選ばれた」と主張する一部の共和党議員に対してはこれを批判。移民や外交政策など、同氏を攻撃するなら他にもっと良い方法があると指摘した。
ヘイリー氏は予備選でのトランプ氏のライバルだったが、3月に指名争いから撤退。5月には本選でトランプ氏に投票するとの方針を明らかにしていた。
今回のインタビューでは引き続き強気の米国外交を擁護。共和党内で孤立主義を唱えるグループとは反対の立場を取る構えを示唆した。これらのグループにはトランプ氏が副大統領候補に選んだJ・D・バンス上院議員(オハイオ州選出)も含まれる。
ヘイリー氏はトランプ、バンス両氏に対し、ウクライナ情勢でロシアへの対抗姿勢を取るよう強く要求。ウクライナ、台湾、イスラエルを支えるのが道義的に正しいことは明白だとの認識を示した。
現在トランプ氏の支持に回ったことについて、予備選を戦ったクリス・クリスティー前ニュージャージー州知事は将来の大統領選出馬に向けた動きでしかないとヘイリー氏を批判した。
ヘイリー氏はこれを一蹴し、クリスティー氏こそ2016年、政権での役職を得ようと必死にトランプ氏を持ち上げていたと揶揄(やゆ)した。