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投票日まであと100日、米大統領選の今後のスケジュールは

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11月の投票日まで100日を切ったが、8月の民主党全国大会や、9月に予定されているトランプ米大統領に対する「口止め料」裁判をめぐる量刑言い渡しなど、さまざまな予定が詰まっている

11月の投票日まで100日を切ったが、8月の民主党全国大会や、9月に予定されているトランプ米大統領に対する「口止め料」裁判をめぐる量刑言い渡しなど、さまざまな予定が詰まっている

(CNN) 同じ顔ぶれの退屈な対決に大勢の米国人は政治に見向きもしなかったが、そこから一転、2024年の米大統領選挙は予想外の展開や肝を冷やす出来事が相次いでいる。

まさかジョー・バイデン大統領の選挙戦が内部崩壊するとは誰も予想していなかった。6月末に行われたCNNの討論会の衝撃から7月下旬の選挙戦撤退表明まで、1カ月も経っていない。バイデン氏出馬に文字通りおびえていた民主党は、カマラ・ハリス副大統領が後任となったことで再び勢いづいている。

ドナルド・トランプ前大統領の暗殺未遂事件も予想外だった。この事件で共和党はトランプ氏のもとに団結した。党内では危機一髪を切り抜けた同氏をやや神格化する声も多く聞かれる。

11月5日の投票日までの100日間、または投票日以降に米国独自の選挙人制度が進行する間、一体何が起こるのか分からない。だがある程度予想できる点もある。

8月:ハリス氏の候補指名、副大統領候補の選出、シカゴでの全国党大会

後任にハリス氏の名前が出ると、民主党は即座に同氏の支持に回ったが、とはいえ正式な指名手順は踏まなければならない。全国党大会を控えた8月1~7日、代議員は短い期間で指名手順を執り行う。投票用紙の変更を避ける予防措置だ。

またハリス氏は副大統領候補を選ばなければならない。通例は党大会直前に発表されるが、CNNのジェフ・ゼレニー記者によると近日中に発表される見通しだ。

8月後半には民主党の全国党大会がシカゴで行われる。バイデン氏はそこで最上級の歓迎を受けるだろう。同氏の勝算に気をもんでいた民主党は、打って変わって英雄としてもてはやしている。

8月上旬にはトランプ氏の副大統領候補、J・D・バンス上院議員が40歳の誕生日を迎える。共和党指名候補が当選すれば、バンス氏は米国史上3番目に若い副大統領となる。ミレニアム世代としては初の快挙だ。バイデン氏が選挙戦から撤退したため、バンス氏とペアを組むベビーブーム世代のトランプ氏は米史上最年長の主要政党候補者となる。

9月:討論会は誰と? トランプ氏の量刑は?

バイデン氏とトランプ氏は、9月10日にABCニュース主催で2回目の討論会を行うことで同意していた。だがバイデン氏が撤退したため、トランプ氏はABC主催の討論会には参加しない可能性をちらつかせている。代わりにトランプ陣営はFOXニュースでの討論会を提案しており、同局も9月17日の開催案を提示している。

両陣営とも討論会には前向きだ。詳細の発表が待たれる。

9月には最初の期日前投票もスタートする。先陣を切るのはノースカロライナ州で、9月6日から郵便投票用紙の送付が始まる。翌週以降、他の州も続々と後に続く。

新学期、新年度が始まって、9月から米国人の目はますます選挙戦に注がれることになるだろう。また社会風潮の点でもいくつか注目すべきタイミングがある。9月末には「サタデー・ナイト・ライブ」新シーズンの初回放送が予定されており、マーヤ・ルドルフ氏が再びハリス氏にふんして登場するのか、そして誰がバンス氏役を演じるのかが判明する。

またトランプ氏の量刑も言い渡される。同氏は16年大統領選挙に先立ち「口止め料」を支払った際、ビジネス文書を改ざんしたとして34件の有罪評決を受けた。量刑の言い渡しは9月18日に予定されているが、最高裁判所が大統領に新たな免責を認めたのを受け、日程がずれる可能性もある。

10月:投票は進む

投票日は11月5日とまだ先だが、大半の州では郵便または対面のいずれかによる期日前投票が認められている。10月にはこうした期日前投票が本格的に行われる。

国勢調査のデータによると、20年大統領選では70%近い米国人が郵便投票または期日前投票で票を投じた。もっとも、この数字は新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)の影響もある。

両陣営とも、勝敗を左右するとみられるいくつかの激戦州の獲得に焦点を合わせてくるだろう。16年大統領選でトランプ氏が勝利した五つの州(アリゾナ、ジョージア、ミシガン、ペンシルベニア、ウィスコンシン)をバイデン氏は20年に奪い取った。10月に60歳の誕生日を迎えるハリス氏と、トランプ氏の対決となれば、これら5州が再び争点になる可能性もある。

11月:投票日当日および当日以降

米国の法律では、連邦選挙を11月第1月曜日の翌日の火曜日に行うことが定められている。今年の場合は11月5日だ。

期日前投票をしなかった有権者は各自地元の投票所へ向かうことになる。投票締め切り時刻は州によってまちまちだ。郵便投票をする有権者が増えているため、20年のように激戦州で接戦となれば、投票日当日に当選が確定することはおそらくないだろう。

いずれにしても、一部の州で裁判沙汰になることは予想できる。再集計を行う州も出てくるだろう。投票日を迎えても、選挙終了には程遠い。

11月も終盤に差しかかると、バイデン氏は82歳の誕生日を迎える。

12月:選挙人による投票

選挙絡みの問題がすべて落ち着いたら、各州は州全体の集計結果を承認または確定する。各州都で選挙人が招集され、州全体の勝者に選挙人の票が投じられる。

ネブラスカ州とメーン州では票の一部が選挙区に割り当てられる。接戦の場合はこれもまた勝敗の行方を左右する可能性がある。

1月:厳かな宣誓式

1月3日、顔ぶれが一新した下院議会で宣誓式が行われる。めったにないことだが、選挙人票が同数になった場合、宣誓式を終えた下院議会が選挙の勝敗を判断する。その場合は下院議会で各州が1票を投じ、大統領を選出する。

いずれにしても、忘れられない日となった1月6日に上下院議員が議会に集まって選挙人の集計を行う。集計を執り行うのはハリス氏だ。ハリス氏は選挙人の集計で自らの勝利を確定する5人目の副大統領、もしくは自らの敗北を確定する4人目の副大統領のいずれかとなる。

そして25年1月20日、次期大統領が就任する。

本稿はCNNのアネット・チョイ、ザカリー・B・ウルフ各記者による分析記事です。

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