米州知事選の共和党候補、ポルノサイト掲示板で問題投稿連発か 「私は黒人のナチ」
(CNN) 米ノースカロライナ州知事選に共和党候補として出馬しているマーク・ロビンソン氏が10年以上前、ポルノサイトの掲示板に扇動的なコメントを多数書き込んでいたとみられることが分かった。同氏は保守派の立場からの物議を醸す言動でも知られる人物。当該の掲示板では「黒人のナチ」を自称し、奴隷制の復活に支持を表明するなどしていた。
CNNの調査報道チーム「Kファイル」の調べで判明した。
最近ではトランスジェンダーに反対する発言を行っているロビンソン氏だが、保存された掲示板のメッセージではトランスジェンダーのポルノを視聴するのは楽しいと述べている。自身を「変態」だとも語っている。
政界入りする前に書き込まれたこれらのコメントについて、ロビンソン氏は自身によるものではないと主張している。CNNは投稿者のユーザーネームの詳細な略歴やメールアドレスを照合し、ロビンソン氏本人と特定するに至った。
扇動的な投稿を行ったユーザーネームの情報はマーク・ロビンソン氏が公開した経歴データとも一致した/Sources: AdultFriendFinder, Facebook, Nude Africa, X Graphic: CNN
コメントの多くは性的で卑猥(ひわい)な内容となっている。それらは2008年から12年にかけて、掲示板付きのポルノサイト「ヌード・アフリカ」に投稿された。ユーザーネームは、ロビンソン氏がオンライン上で頻繁に使用していた愛称で、サイトのプロフィルには自身のフルネームを記載。メールアドレスも本人がネット上で数十年使用しているものだった。
扇動的なコメントを投稿するユーザーネームはロビンソン氏が他のサイトでも使用するユーザーネームと一致する/Sources: BlackPlanet, Disqus, Facebook, Pinterest, YouTube Graphic: CNN
19日にCNNのインタビューに答えたロビンソン氏は、ヌード・アフリカにコメントを投稿したことを繰り返し否定した。
自身と当該のユーザーとをつなぐ証拠を示されても、誰かがでっち上げたものであり、好色なタブロイド紙の捏造(ねつぞう)だと主張した。
その上で、ノースカロライナ州民が直面する問題の方が「タブロイドのごみ」より重要だとし、州知事選のライバルへの攻撃に話題を変えた。知事選から撤退するつもりはないとも明言した。
共和党の大統領候補、トランプ前大統領から全面的な推薦を受けているものの、州の副知事を務めるロビンソン氏はジョシュ・ステイン州司法長官と争う知事選で苦戦を強いられている。
当選すればノースカロライナ州初の黒人知事となるロビンソン氏だが、過去には公民権運動のリーダーだったマーチン・ルーサー・キング牧師を繰り返し中傷。「共産主義者のろくでなし」などと罵倒し、あるユーザーからは白人至上主義者と非難する声も寄せられていた。
ヌード・アフリカのフォーラムで10年10月に書き込んだコメントでは奴隷制を「悪くない」と擁護し、「(奴隷制を)復活してもらいたい。間違いなく数人買うだろう」と続けた。
12年3月のコメントでは、当時のオバマ政権よりもナチスドイツを率いたヒトラーの方が指導力の点で優れているとの考えを示唆した。ヌード・アフリカにおけるロビンソン氏のコメントには、黒人やユダヤ人、イスラム教徒に向けた人種差別的な侮蔑表現が散見される。
政界入りを果たした後も、ロビンソン氏は物議を醸す発言を続けている。具体的には学校での銃撃事件を生き延びた学生への嘲笑、レイプや近親相姦(そうかん)といった例外を認めない人工妊娠中絶の完全禁止の支持などだ。
知事選に関する直近の世論調査で、ロビンソン氏はステイン氏にリードを許している。