米ロサンゼルス郡、山火事拡大で非常事態宣言 3万人が避難
(CNN) 米カリフォルニア州ロサンゼルスで7日、山火事が拡大し、当局が非常事態宣言を出した。海沿いの高級住宅地パシフィック・パリセーズで住宅などが被害を受け、同日午後までに住民3万人が避難した。
火災は強風にあおられて急速に広がった。焼失面積は1100ヘクタールを超え、1分間にフットボール場5個分の勢いで拡大している。消防当局者によると、「竜巻のような風」で消火活動が妨げられ、状況は今後さらに悪化する恐れがある。
パシフィック・パリセーズの西側に位置するマリブと、東側のサンタモニカにも避難命令が出た。マリブは昨年12月にも大規模な火災に襲われたばかり。
周辺の道路は渋滞し、やむなく車を乗り捨てた住民も多い。火の手が幹線道路を飛び越えて迫るなか、一部の住民は海岸へ向かって避難した。
ロサンゼルス郡アルタデナで新たに発生したもう1件の山火事も、焼失面積が1時間のうちに倍増して160ヘクタールに達し、住民が避難した。
現地のCNN提携局は、アルタデナの南に位置する都市パサデナの高齢者施設で、炎がすぐ先の交差点まで迫るなか、職員らが車椅子の入居者らを避難させる場面を伝えた。
同郡で発生した停電は20万世帯に及んでいる。
消防当局は7日夜、現場に出動した女性消防士(25)が頭部に重傷を負ったことを確認した。複数の人がやけどを負っているとの情報もある。
マリブでは7日午後、海岸通り沿いの有名なシーフード・レストラン「リール・イン」が全焼した。パシフィック・パリセーズでは、映画などのロケ地として知られる高校と近くの小学校が炎に包まれ、消火作業が続いている。