トランプ氏、性別を「男」「女」のみとする大統領令署名へ パスポートの「X」表記は廃止
(CNN) 米連邦政府は、大統領令の下で「男性」と「女性」の二つの性別のみを認める予定だ。この大統領令はトランプ大統領が近く署名する見込み。
この大統領令は、バイデン政権が進めていた性自認の明示方法を広げる取り組みを逆行させるもので、対象にはパスポートも含まれる。
トランプ氏は20日の大統領就任演説で「本日をもって米国政府の公式政策は男性と女性の二つの性別のみを認めるものとする」と述べた。この発言によって同氏は、文化戦争にまつわる公約の一つを実現するための最初の一歩を踏み出したかたちだ。
この大統領令について、トランプ政権の当局者は20日、記者団に対し、「性別イデオロギーの過激主義から女性を守り、連邦政府に生物学的な真実を回復させることを目的としている」と説明し、男性と女性は「変更不可能な性であり、基本的で争う余地のない現実に根ざしている」と述べた。
また、連邦政府は「ジェンダー」という用語の使用をやめ、「セックス(性)」に置き換える方針。性別は「個人の不変的な生物学的分類」として定義されるという。
全ての政府機関は、パスポートやビザを含む公式文書が「性別を正確に反映」することを確保するよう求められる。また、連邦刑務所や移民収容施設などの「個人的な空間」を運営する部署は、プライバシーを守るために単一性別の空間を保護するよう指示される。
トランプ氏の大統領令は、米国民の性自認をより包括的に認めようとしていたバイデン政権の取り組みを解体するものとなる。
2022年以降、米国民はパスポート上の性別表記に「X」を選択できるようになった。この表記は、国籍書類や写真付き身分証明書上の性別と一致する必要はなく、性別変更に医療証明書も不要だと国務省は説明している。