イエメンで53人死亡、トランプ氏のフーシに対する「決定的な」軍事行動命令受け
イエメンで130人死傷、トランプ米大統領のフーシに対する「決定的な」軍事行動命令受け
(CNN) 米国のトランプ大統領がイエメンの反政府組織フーシに対する「決定的な」軍事行動を命じたことを受け、イエメンでは米軍の攻撃により少なくとも53人が死亡し、約100人が負傷した。フーシが運営する保健省が明らかにした。大半が女性と子どもだという。
トランプ氏は自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」への投稿で、「我々の目標が達成されるまで、フーシに対して圧倒的に殺傷力の高い兵器」を行使すると表明。大規模な軍事作戦の開始を告げるとともに、作戦が数週間に及ぶ可能性を示唆した。これに対しフーシは衝突の激化を警告している。
ウォルツ米大統領補佐官(国家安全保障担当)によれば、今回の攻撃でフーシの複数の幹部が死亡した。ウォルツ氏はABCニュースに「これは圧倒的な対応」であり、フーシを支援するイランに責任を問う狙いもあると付け加えた。
フーシは16日、米国の侵略行為への報復として、米軍の原子力空母「ハリー・S・トルーマン」が展開する紅海北部に対しミサイルと無人機を計18発発射したと主張。攻撃が続く場合、対抗措置を激化させると警告している。
米当局者2人によれば、トルーマンにけが人や被害は出ておらず、迎撃の必要があったかどうかは初期分析では不明だという。
イエメンを拠点とするフーシは2023年末から紅海を航行する船舶へのドローン(無人機)やミサイルによる攻撃を始めた。攻撃はイスラエルによるパレスチナ自治区ガザ地区への侵攻に対する報復だとしている。フーシによる継続的な攻撃は世界貿易に大きな影響を与えてきた。

攻撃により破壊された家屋の跡地に集まる人々=16日、イエメン北部サーダ/Naif Rahma/Reuters
トランプ氏はフーシを支援するイランに対しても即時に支援をやめるよう警告。「もしイランが米国民や大統領を脅すなら、米国はイランに完全な責任を負わせる」と述べた。
これに対しイランのアラグチ外相は16日、X(旧ツイッター)で、米国政府にはイランの外交政策に口出しをする権利はないと断じ、イスラエルによる大量虐殺とテロ行為を支援するのをやめ、イエメン人の殺害をやめるべきだと反論した。
フーシが運営するメディアは、イエメンの首都サヌアなどで死者がでているほか、北部サアダ県にある発電所を標的とした攻撃により周辺地域で停電が発生していると伝えている。ロイター通信によると、南西部のフーシの軍事拠点も攻撃を受けたという。