トランプ米大統領、教育省解体を開始する大統領令に署名
トランプ米大統領、教育省の解体に向けた大統領令に署名
(CNN) トランプ米大統領は20日、教育省の解体を開始するための大統領令に署名した。過去数十年にわたり、保守派は同省を廃止する野心を抱いてきたがそれを満たすことを念頭に置いた措置だ。しかし国内に数百万校存在する公立学校や学生ローンの管理機関、保護者らにとっては新たな疑問が浮上する事態となっている。
最近の歴史において閣僚レベルの政府機関の閉鎖を試みた大統領はこれまで一人もいない。教育省の大掛かりな閉鎖には連邦議会での法案通過が必要になる。同省は1979年、議会での法律制定を受けて設立された。
今回の大統領令は、同省のマクマホン長官に対して「必要なあらゆる手順を踏み、教育省の閉鎖並びに教育に関する権限の州への返還を進める」よう指示する内容。
トランプ氏はホワイトハウスのイーストルームで、可能な限り迅速に教育省を閉鎖すると述べた。同氏の周囲には教室用の机が並べられ、制服を着た学童がそれぞれの席に着いていた。
具体的に教育省の各部署をどのように解体するのかは、正確には明らかになっていない。
大統領令署名に先駆け、ホワイトハウスのレビット報道官は大統領令について、「省を大幅に最小化する」ものだが、学生ローンや困窮する学生への助成といった「極めて重要な機能」は今後も同省の傘下に残ると述べた。
一方、トランプ氏は発言の中で、それらの機能は保たれるとしつつ「他の様々な省庁に再配分され、極めて首尾よく運営されるようになる」と説明した。
こうした食い違いは、今後マクマホン氏が大統領令の遂行に取り組む上での難題となる可能性がある。教育省閉鎖の任務を全面的に支持するマクマホン氏だが、議会が定めた省機能の一部は法律によって実施が義務づけられてもいる。学生ローンの管理や貧困地区にある学校への助成などがこれに該当する。
20日の発言で、トランプ氏は教育にまつわる権限を各州に返さなくてはならないと再三主張。それこそが教育省を閉鎖する理由だとした。同時に各生徒への投資と比較してテストの得点が低いとの見方にも言及。教育省が関与しない新たなシステムの下であれば、欧州諸国や中国とも渡り合えるようになるだろうと語った。同氏によれば、これらの国々の成績は現在米国を上回っているという。