遺伝子改変ブタの腎移植、130日間の最長記録を樹立 米女性

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遺伝子改変ブタの腎臓移植のために手術室に向かうトワナ・ルーニーさん=2024年11月、米ニューヨーク市/Joe Carrotta/NYU Langone Health

遺伝子改変ブタの腎臓移植のために手術室に向かうトワナ・ルーニーさん=2024年11月、米ニューヨーク市/Joe Carrotta/NYU Langone Health

(CNN) 米アラバマ州のトワナ・ルーニーさん(53)は、遺伝子改変ブタの腎臓のおかげで、臓器の摘出手術を受けるまでの130日間、透析なしで過ごすことができた。これは、ブタの臓器を移植されたヒトとしては最長の記録であり、急成長を遂げている「異種移植」にとっての新たな前進となった。

ルーニーさんは昨年11月にブタの腎移植を受けるまで、9年間にわたって透析を受けていた。遺伝子改変されたブタの腎臓が生きた患者に移植されるのはルーニーさんで3例目だった。

ルーニーさんはニューヨーク大学ランゴーン移植研究所で手術を受けてから11日後に退院し、毎日検査を受けられるよう病院近くのアパートに滞在していた。数カ月間は容体が安定していたものの、合併症を発表し、今月4日に臓器を摘出するという苦渋の決断に至った。

移植研究所の責任者は声明で、4月上旬に起きた急性の拒絶反応によって腎機能が低下したと説明。長期間の安定の後に拒絶反応が出た原因について調査を行っている。ブタの腎臓とは無関係の感染症を治療するために免疫抑制療法を抑えたところ発症したという。

今回の遺伝子改変ブタの腎臓を手掛けた米製薬企業ユナイテッドセラピューティクス(UT)は、ルーニーさんが異種移植を通じて示してきた勇気と熱意をたたえた。

臓器移植に関する団体「OPTN」によれば、米国では9万人以上が腎移植の待機リストに登録されており、臓器移植を待つ患者の大多数を占める。腎移植の待機時間の平均はほとんどの病院で3~5年で、毎日約13人が待機中に命を落としている。

透析は短期的には効果があるものの、健康な腎臓の働きの10%から15%にしか相当しない。研究によれば、透析を受けている人は治療開始後5年以内に死亡する確率は50%だという。

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