トランプ米大統領、気に入らない報道番組に圧力 連邦通信委員会に「懲罰」促す

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昨年、スペースXのロケット打ち上げ時にブレンダン・カー氏と言葉を交わすトランプ氏/Brandon Bell/Pool/Reuters

昨年、スペースXのロケット打ち上げ時にブレンダン・カー氏と言葉を交わすトランプ氏/Brandon Bell/Pool/Reuters

60ミニッツは全米で最も視聴率が高いニュース番組。しかしトランプ氏は13日の投稿で、「彼らは『ニュース番組』ではなく、『ニュース』を装っているだけの不誠実な政治工作員だ。自分たちがしたことの責任を取らなければならない」と主張した。

13日の60ミニッツは、ウクライナとグリーンランドの問題を取り上げた。この放送を受けてトランプ氏は、CBSについて「免許を取り消すべきだ」とも書き込んだ。もっともFCCに免許を交付されているのはCBSネットワークではなく、CBS傘下の地方局。2024年の大統領選挙でもトランプ氏は、自分の気に入らない放送局は免許を剥奪(はくだつ)すべきだと何度も主張していた。

60ミニッツをめぐっては、昨年秋に放送された民主党のカマラ・ハリス大統領候補(当時)のインタビューに関して消費者保護法に違反する内容があったとして、トランプ氏がテキサス州の裁判所にCBSを提訴。トランプ氏の大統領就任を受けて和解を模索する動きもあるものの、現在も裁判は続いている。

今も同番組は自らの方針に従って、毎週日曜夜のインタビュー放映や調査報道を続けている。トランプ氏の政策の影響については、本人が怒りを込めながらも正確に指摘した通り、「ほぼ毎週」取り上げてきた。トランプ氏はそうした内容について「侮蔑的かつ中傷的」とかみついている。

トランプ氏の今回の投稿について、米国の民主主義を脅かす脅威の監視団体を創設した政治学者のブレンダン・ナイハン氏はこう解釈した。「大統領はFCCにいる自分に最も忠実な役人に対し、批判的な報道をしたメディアを国家権力を行使して罰するよう、公然と要求した」

CBSのジャーナリストは着実に強まる圧力を感じている。先月開かれた業界の式典で憲法修正第1条(報道の自由)賞を受賞した同局のレスリー・スタール特派員は、「我々の貴重な修正第1条が脆弱(ぜいじゃく)に感じられ、私の大切な60ミニッツが命をかけて戦っている」今この時に受賞できたことを誇りに思うと述べ、60ミニッツは「正しいことのために立ち上がって戦う」と宣言した。

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