前重慶市トップ薄氏の妻、英国人実業家殺害で起訴 中国
北京(CNN) 中国当局は26日、重慶市の書記だった薄熙来氏の妻、谷開来容疑者と使用人の男を、昨年11月に英国人実業家ニール・ヘイウッド氏を毒殺した殺人罪で起訴したと発表した。
谷容疑者と使用人の男は4月に逮捕された。同じ日に新華社は「重大な規律違反」により薄氏が党政治局員などの職務を解かれたと報じた。
薄氏はかつての中国共産党の高級幹部の子息を指す「太子党」の1人。今年秋の党大会では最高指導部である政治局常務委員の10年に1度の大規模な入れ替えが予定されており、薄氏も候補の1人と見られていたが、このスキャンダルによって失脚した。
当初はアルコールの過剰摂取によるとされたヘイウッド氏の死が改めて注目されるようになったのは今年2月。薄氏の片腕だった王立軍副市長(当時)が四川省成都の米領事館に亡命を求めて駆け込んだ事件がきっかけだった。一部の報道によれば、ヘイウッド氏殺害に谷容疑者が関わっている可能性を指摘して、薄氏の不興を買ってしまったためという。
カーネギー国際平和財団の中国専門家ダグラス・パール氏は、中国政府が過去に例がないくらい透明性を保ちつつ薄氏周辺のスキャンダルに対処してきたのは、この亡命未遂事件のせいだという。「昔なら嘘をつき通したような部分でも率直になった」
当局によれば、谷容疑者と息子はヘイウッド氏と「経済的利益」をめぐって対立するようになり、谷容疑者はヘイウッド氏が息子の安全を害しかねない存在だと考えるようになったという。