シリア軍がサリン製造を準備か、米政府「重大な結果を招く」と警告
(CNN) シリアのアサド政権が反体制派に対してサリンなどの化学兵器を使用する準備を始めたと伝えられたことを受け、オバマ米大統領は首都ワシントンの大学で3日に行った講演でアサド大統領に対し、「化学兵器の使用は一切容認しない。もしもこうした兵器を使用するという悲劇的な過ちを犯せば、重大な結果を招き、(アサド政権が)その責任を負うことになる」と警告した。
米当局者は、シリア軍が猛毒のサリンガス製造に使われる化学物質の合成を始め、反体制派や民間人への攻撃に使用される恐れがあると語った。米国は先週末にかけて、複数の筋からこの情報を入手したという。サリンは砲弾に装てんされて使用される公算が最も大きいとしている。
クリントン米国務長官も同日、「アサド政権が自国民に対して化学兵器を使用したことが確認された場合の対応について、詳細を語るつもりはない」「しかしそのような事態が発生した場合、我々は確実に行動を起こす」と言明した。
カーニー大統領報道官は同日、「政権が通常の手段では反体制派を制圧できなくなり、化学兵器の使用に踏み切る可能性があるとの懸念が強まっている」と語った。
これに対してシリアの国営テレビ局は外務省や軍関係者の話として、どのような事態になったとしても、国民に対して化学兵器を使用することはないと繰り返し強調している。
一方、国連は同日、不要不急の職員全員をシリアから直ちに出国させると発表した。国連の停戦監視団は、8月の時点でシリアから出国している。