キャサリン妃入院先の看護師の死を受け、問われるメディアの倫理的境界線
投稿サイト「ツイッター」上では、「電話をかけた愚かな2人はまだ自分たちを面白いと思っているのだろうか」「人類のレベルがまた下がった」など、電話をかけたDJに対する怒りのコメントが多数寄せられた。
一方、少数ではあるが、「情緒不安定な女性の行動について2人のDJに責任はない」という意見や、いたずら電話などの悪ふざけはラジオやテレビのバラエティー番組では以前から行われており、その大半は当たり障りのないものだとし、ラジオ局を擁護する意見もあった。
しかし、いたずらや悪ふざけは思わぬ悲劇を招くこともある。
日刊紙「タンパベイ・タイムス」は11月30日、持続性性喚起症候群と呼ばれる珍しい性的障害を患う女性グレチェン・モラネンさん(39)に関する記事を掲載した。
同紙はモラネンさんと協力して記事を作成し、掲載前にモラネンさんに記事全文を読み聞かせた。モラネンさんは同紙に宛てた手紙の中で、自分の病気に興味を示してくれたことに感謝し、「この記事により、この病気が実際に存在する深刻な病気であることを人々に知ってもらい、この病気に苦しむ他の女性が医者に相談する勇気を持ってくれれば」と付け加えた。
しかし、モラネンさんは記事が掲載された翌日に自ら命を断った。ただ、モラネンさんにはその以前にも自殺を図っており、記事の掲載が自殺の原因か否かは定かではない。
また2010年には、ラトガース大学の男子生徒だったタイラー・クレメンテさん(18)が、別の男性と性行為をしている所をルームメートに盗撮され、その後しばらくして、ニューヨークの橋から投身自殺を図った。
ルームメートは録画した映像を他の友人らと共有し、さらにツイッター上でも暴露していた。