エジプト大統領が暴徒を非難、大統領令は撤回せず
カイロ(CNN) ムルシ大統領の大統領令に反発する野党勢力のデモが激化しているエジプトで、ムルシ大統領が6日夜にテレビ演説し、反対派に平静を呼びかけた。野党側が求めていた大統領令の撤回には応じなかった。
演説の中でムルシ大統領は、国民が平和的なデモを行う権利は尊重すると述べる一方、暴力は容認しないと述べ、国内外の勢力が暴動をあおっていると主張。衝突を激化させた武装集団の陰には「腐敗した前政権」の関係者がいると非難し、「刑罰は免れない」と強調した。
首都カイロ中心部のタハリール広場に野営しているデモ隊は、この演説に対して一層怒りを募らせ、退陣要求のシュプレヒコールを上げた。
国営テレビは目撃者の話として、演説が終了した直後、大統領が率いるムスリム同胞団の本部から火の手が上がったと伝えた。同胞団は、本部の建物が数百人に取り囲まれ、「テロ攻撃」を受けているとウェブサイトやツイッターで伝えた。
しかし7日午前1時現在、同胞団の本部で火災が起きたり破壊されたりした様子は見られなかった。周辺に集まった両陣営の支持者と本部の建物の間には、治安部隊が配備されていた。