旧ユーゴ戦犯法廷 セルビア人勢力の情報機関トップに終身刑
(CNN) ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争中の1995年にボスニア・ヘルツェゴビナ東部のスレブレニツァで数千人のイスラム教徒が集団殺害(ジェノサイド)された事件の裁判で、オランダのハーグにある旧ユーゴスラビア国際戦犯法廷(ICTY)は12日、ボスニアのセルビア人勢力の元情報機関トップ、ズドラヴコ・トリミル被告に対し、虐殺や虐殺の謀議などの罪で、終身刑の有罪判決を下した。
トリミル被告は、セルビア人を主体に結成されたスルプスカ共和国軍の司令官で、2011年にセルビアで拘束されたラトコ・ムラディッチ被告の右腕だったと見られている。
この虐殺は、宗教や民族に基づくボスニア分割を目論む超国家主義勢力が、戦争中のいわゆる「民族浄化」の一環として行ったもので、第2次大戦後に欧州で起きた虐殺事件のなかでも最も残虐な事件の一つといわれている。国連によると、この虐殺で6000~8000人が殺害されたという。
トリミル被告の裁判は、ICTYが手掛ける12件の訴訟の1つ。ICTYは、1991年から2001年の間に発生した「人道法の重大な違反行為」でこれまでに161人を起訴している。