北朝鮮のミサイル発射能力に強まる懸念、安保理が非難の談話
(CNN) 北朝鮮がロケット発射に成功したことを受け、核兵器拡散や太平洋地域の力の均衡を巡る国際社会の懸念が強まっている。国連安全保障理事会は12日に国連本部で会合を開いて北朝鮮を非難する談話を発表、発射は過去の安保理決議に対する明らかな違反だと指摘した。
米国などは対北朝鮮制裁強化を求める声を強めており、安保理で対応を協議する。ただし常任理事国の中国とロシアが拒否権を行使する可能性もある。
北朝鮮は、衛星発射場からロケットを打ち上げ、人工衛星「光明星3号」を軌道に乗せることに成功したと発表した。北朝鮮が過去に行った打ち上げ成功の発表に対しては、米国などの各国が否定してきた経緯がある。しかし今回は物体が軌道に乗ったことを米当局が確認した。現在、この物体が衛星として機能しているかどうかを確認中だという。
朝鮮中央通信は光明星3号について、地球観測のための調査および通信機器を搭載していると伝えた。
専門家は、今回の発射によって北朝鮮は長距離ミサイルの発射能力があることを実証したと指摘する。だた、ミサイルに搭載できるほど小型の核弾頭を開発するには至っていないとみられる。
パネッタ米国防長官は発射について「あからさまな挑発行為」だと非難。CNNに対し、もし北朝鮮が米国に向けてミサイルを発射したとしても、米軍は迎撃できると確信していると強調した。一方で「そのような脅威に対峙せざるを得なくなることは望まない」と述べ、太平洋地域で米軍の展開を見直している背景には、「北朝鮮の脅威」に対抗する狙いがあるとした。