激動の1年を過ごした中国 2013年はどんな年に?
アジア重視への転換
米国がアジア重視へと戦略を転換する中で、中国も近隣諸国との関係を熟考している。中国政府は、日本や韓国との自由貿易協定締結を希望し、東南アジア諸国との貿易拡大にも積極的に取り組んでいるのだ。
米ニューヨーク・タイムズ紙のジェーン・ペレス北京駐在特派員は、中国が巨額の資金を使い、東南アジア諸国に道路・鉄道網を整備して同国を含む地域全体の一体化を図っていると指摘する。
しかし、日本や韓国、フィリピンなどと島の領有権問題を抱えるなど、一部の国とは緊張関係にあり、この地域の人々の心が中国から離れていくといった外交的敗北を喫することもあり得るかもしれない。
中国共産党の優先課題は「不正・腐敗の撲滅」
中国共産党は、貧富の格差拡大をはじめ、社会改革への要求や、政治における不正・腐敗、党幹部絡みの多くのセックススキャンダルなど、その正統性を揺るがしかねない数多くの問題に直面している。
政治評論家フランク・チン氏は、新指導部の最優先課題は中国共産党からの不正・腐敗の撲滅だと指摘する。チン氏は、先の第18回中国共産党大会の後、習近平(シーチンピン)総書記が、中央政治局常務委員紹介のために報道陣の前に現れた時、外交問題には一切触れなかったと指摘。習氏は、党内の不正腐敗の撲滅など国内問題の解決が最大の課題だと理解しているとの見方を示す。