集団暴行事件で抗議デモ、警察が放水砲で対応 ニューデリー
ニューデリー(CNN) インドの首都ニューデリーで22日、先週市内で発生した集団暴行事件に抗議する大規模デモが実施され、警察が放水銃や催涙ガスで鎮圧を図った。
16日の事件では、23歳の女性が走行中のバスの中で性的暴行を受けて重傷を負った。デモには幅広い年齢層が参加して、「犯人に裁きを」「絞首刑にせよ」と要求。市中心部のインド門付近には数千人が集まり、一部の参加者は警備を突破して政府機関の集まる地区や議事堂、大統領官邸へ入ろうとした。
警棒を持った警官ら数十人が出動するなか、放水銃がデモ隊に向けて発射された。警察の報道官によると、この衝突でデモ参加者35人、警官40人近くが負傷した。バリケードや車両が破壊され、警察が発射した催涙ガス弾は125発に上ったという。
被害者の女性は病院の集中治療室に収容されて生死の境をさまよったが、警察によると21日夜にはベッドで判事と話ができるまでに回復した。ただ担当医によれば、依然として感染症への注意が必要。病院では心身両面のケアを受けているという。事件に関連し、これまでにバスの運転手や未成年者を含む6人が拘束されている。
同国では近年、強姦事件が急増している。1971年の2487件から昨年は2万4206件と9倍近くまで増えた。ニューデリーだけでも昨年572件、今年は600件が報告されている。事件を機に国内各地で同様のデモが相次ぎ、一部の議員らは強姦罪に死刑を適用するべきだと主張。当局も刑罰強化の構えを示している。