シリア難民、年末までに200万人に倍増か
(CNN) 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は10日、内戦が続くシリアから周辺国へ逃れる難民の流れが最近加速し、このままでは今年末までに現在の2倍にあたる200万人規模に増える恐れがあると発表した。
シリアから国外に避難した難民は過去2年間で100万人に達している。グテーレス難民高等弁務官が10日に語ったところによると、昨年12月時点では毎日平均3000人が国境を越えていたが、2月にはこれが平均8000人に急増した。
国連の難民への対応などをまとめた「シリア地域対応計画」は昨年12月、難民の数が今年6月末までに110万人に達するとの見通しを示したものの、現在では3月中にこのラインを超えると予測している。
難民の大半はレバノン、ヨルダン、トルコ、イラク、エジプトといった周辺国へ逃れるが、北アフリカや欧州へ向かう動きも目立ち始めている。帰国後の報復などを恐れ、難民登録を避ける避難者もいる。
ヨルダンのキャンプに家族を連れてきたという反政府派のメンバーらは、CNN取材陣とのインタビューで、帰国して戦場へ戻ると話した。ある少年は、家族が街を出た後には少数の男たちだけが残っていると語り、「シリアは空っぽになりつつある」と訴えた。