シリア軍機が隣国レバノンを空爆 米など情勢悪化を懸念
(CNN) レバノンの国営通信NNAによると、同国北部の町が18日、シリア軍戦闘機の攻撃を受けた。地元情報筋は、シリア軍機2機が国境近くの町アルサルにロケット弾3発を撃ち込んだとしている。
同情報筋によると、砲撃されたビルの中にはだれもいなかった。死傷者は報告されていない。
米国務省のヌーランド報道官は同日、レバノン空爆は「大幅な情勢悪化」を示すとの見解を示した。フランス外務省も、レバノンに対する「重大な主権侵害」だと強く非難した。
一方、シリアの国営シリア・アラブ通信(SANA)はレバノン国境での動きについて、「武装テロリストによる侵入を軍が阻止した」「レバノン側から検問所に銃撃があった」などと伝えている。シリア外務当局は、テロリストとされる勢力がレバノン内部から支援を受けているのは明らかだと主張する。
国連安全保障理事会は14日、シリア内戦がレバノンに及ぼす影響について深刻な懸念を表明していた。
欧米諸国はこれまでシリアのアサド政権を強く非難する一方で、反体制派への武器供給には慎重な姿勢を示していた。しかし、ケリー米国務長官は18日、オバマ米大統領の発言として、「米国は他国による武器供給を妨げない」と明言した。また、英国とフランスは欧州連合(EU)に対し、武器供給を可能にするための禁輸解除を求めている。
ケリー長官は、「アサド政権はイランや国際テロ組織アルカイダ関連の勢力、レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラ、さらにはロシアからも支援を受けている」と指摘し、反政府派との「不均衡」を是正する必要があると語った。
CNNが先週、シリア反体制派から得た情報によると、米国はヨルダンでシリア反体制派への軍事訓練を実施しているという。