北朝鮮の動静 金正恩体制発足後の動きを追う
(CNN) 北朝鮮が韓国や米国に対して繰り返す挑発的発言により、朝鮮半島の緊張が高まっている。過去1カ月半にわたる金正恩(キムジョンウン)第1書記の威嚇は、これまでの北朝鮮と比較しても特に激しさを増しているとして、専門家らは懸念を示す。金第1書記が父・金正日(キムジョンイル)総書記の死去を受けて権力を継承してから、現在に至るまでの言動を振り返る。
2012年3月
韓国の首都ソウルで核安全保障サミットが開催される直前、北朝鮮は長距離弾道ミサイルとみられるロケットを発射台に移動した。
金第1書記の祖父・金日成(キムイルソン)主席の生誕100周年に合わせ、4月半ばにロケットを発射すると予告する。
2012年4月
オバマ米大統領が「挑発で得られるものは何もない」と警告するも、発射を強行。ロケットは空中分解して海に落下した。
2012年8月
金第1書記は、10年に韓国・大延坪島(テヨンピョンド)を砲撃した部隊を視察し、韓国との「聖戦」に備えよと激励。
米韓両軍による合同軍事演習を、「侵略戦争演習」と呼んで非難する。
2012年10月
米本土に到達可能なミサイルを開発したと発表。
2012年12月
人工衛星を打ち上げるため、改めて長距離ロケットを発射すると表明。
技術上の問題を理由にいったん打ち上げ延期を発表したが、そのわずか2日後に黄海側から発射し、成功を宣言した。
2013年1月
米国への対抗措置として、新たに核実験と長距離ロケット発射を計画していると発表する。
国連安全保障理事会はこの2日前、12月の打ち上げ強行に対する制裁強化の決議案を採択していた。
2013年2月
12日に地下核実験を実施する。
朝鮮中央通信は核実験の目的について「米国の敵対行為に対し、わが国の安全と主権を守るため」と伝え、米主導の制裁への対抗措置であることを強調。
「今回の核実験は、われわれが最大限の自制を示した第1の手段。米国側が敵対行為をやめずに状況を悪化させるようなら、より強力な第2、第3の手段に訴えざるを得ない」との立場を示した。