「アラブの春」は今 5つの兆候が示す中東の変化
イスラエルへの責任転嫁に熱心だった独裁者たちが打倒されてから時間もたち、(望まれてはいるが)パレスチナ国家の樹立や、イスラエルの排除が、中東地域の諸問題の改善や宗派間対立の解消につながるとの見方は非常に少ない。
イスラム原理主義政党が呼びかけたアンマンでの「反イスラエル百万人大行進」に集まったのは300人程度だった。
5.国王も民主主義を求めている
アラブの春は、人々が望んでいたような展開とはなっていないし、一部の国では変革に対する圧力も弱まっている。それでも、改革を求める声はやんではいない。
ヨルダンなどのアラブの王制国家では、国王の側からも民主主義や立憲君主制へ向かう動きが出ている。
中東諸国は全て同じではなく、抗議活動が日常化する中で今後の変化は見通しにくい。しかし、これまでの固定観念や先入観は間違っているといえる。アンマンのナイトクラブでサルサを踊る若者に聞いてみればすぐに分かることだ。
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本記事は、米マイアミ・ヘラルド紙などの国際問題コラムニストで、CNNのプロデューサーと記者の経験もあるフリーダ・ギティス氏によるものです。