「アラブの春」は今 5つの兆候が示す中東の変化
ヨルダン・アンマン(CNN) 先入観は忘れ、固定観念も消し去ろう。少なくとも今は。
過去数十年間、中東の様々な国を訪れ、大昔に時計の針が止まったかのような場面を数多く見てきた。だが、以下に挙げる5つの兆候が示すように、長い歴史を持つ中東は今、驚くような変化を遂げつつあるのだ。
1.政治や宗教よりもラテンダンス
政治や宗教の影響は今でも非常に大きい。また、ヨルダンは、アラブでは近代化の先頭に立っている。それでも、イデオロギーや宗派間の対立よりも、タンゴやサルサといったラテンダンスの方が多くの人にとり重要だという事実は驚きだろう。
ヨルダンの首都アンマンのナイトクラブは夜になると、流行のファッションで身を包んだアラブ人の若者であふれるが、政治への関心が低い者も多い。
大きな音楽の中で、若者たちが巧みに踊り、ほおにキスをするあいさつを交わしながら男女が陽気に交流するナイトクラブのシーンは、一見政治とは無縁だ。しかし実際は、近代的で世俗的、さらには非宗教的な中東が切望されているというサインなのだ。
2.ユーモアが政治の強力な武器に
民主化運動「アラブの春」以降、中東では、イスラム組織「ムスリム同胞団」が主要選挙のほとんどで勝利を収めており、リベラル派には、有効な選挙運動の展開さえも困難なようだ。