イラクで地方議会選 米軍撤退後初の投票
バグダッド(CNN) イラク18州のうち12の州で20日、地方議会選が実施された。2011年末にイラク駐留米軍が撤退してから初めて、米軍の手を借りずに投票が行われた。
西部アンバルや北部キルクーク、ニネベなどの各州は、治安上の理由で投票を見送った。
投票日を前に各地で爆弾事件が続発し、候補者が死亡または負傷するケースもあった。20日には投票所への攻撃が相次ぎ、首都バグダッド近郊で爆弾が爆発して4人が負傷、北部ティクリートでは迫撃砲で2人が負傷した。バグダッド市内には同日、厳重な警戒態勢が敷かれ、外出制限のため投票所へ行けない市民も出るほどだった。
米大使館は投票がおおむね無事に終わったことを評価し、「イラクは過激派武装組織の妨害をはねつけ、民主主義に向けて確かな一歩を踏み出した」との声明を出した。
同国で選挙が実施されたのは、10年の総選挙以来3年ぶり。計378議席に8000人以上が立候補し、選管当局者らによると、有権者1550万人余りのうち約50%が投票した。バグダッド市内の取材班は、投票所に若い世代の姿が目立ったと伝えている。
専門家らによれば、地方議会選の結果は来年に予定される次回総選挙の行方を占ううえでも重要な意味を持つ。今回の選挙では国際テロ組織アルカイダ系武装組織が、マリキ政権を主導するシーア派や同派に協力的なスンニ派候補らへの攻撃を繰り返したとみられ、総選挙に向けて宗派間抗争の激化が懸念される。