空爆の死者42人、「反体制派がサリン使用」の説も 緊迫のシリア情勢
ダマスカス(CNN) シリアの首都ダマスカス郊外にある軍関連施設が空爆を受けたとされる問題で、シリア反体制派は6日、この空爆で40人以上が死亡したと発表した。シリアはイスラエルによる空爆としている。一方、シリア問題を調べている国連高官は同日、反体制派が猛毒のサリンを使用した可能性を指摘。シリア内戦は周辺諸国を巻き込み、緊迫の度合いを増している。
反体制派の「シリア人権監視機構」は医療関係者の話として、5日の空爆でシリア軍兵士42人が死亡し、100人が行方不明になったと発表した。
米当局者はCNNとのインタビューで、イスラエルが先週に続き、5日にも空爆を実施したとの見方を示した。一方、イスラエル側は空爆に関与したかどうかを否定も明言もしていない。イスラエル軍のゴラン少将は「戦争の気配はない」と強調した。
空爆の報道を受け、シリアの友好国イランの外務省報道官はイスラエルに対して、「シリアと同盟諸国が徹底的に反撃する」と警告した。また、ロシア外務省報道官は「深い憂慮」を表明。緊張が隣国レバノンにも波及し、同国とイスラエルの国境が不安定化する恐れもあると指摘した。
北大西洋条約機構(NATO)のラスムセン事務総長は6日の記者会見で、紛争が周辺諸国へ拡大する恐れもあると述べ、改めて懸念を表明した。