世界で進む農地争奪戦 政権崩壊など社会不安の要因にも
国際的NGOは地元民による土地の所有権取得を支援できるし、世界の報道機関も批判キャンペーンにより、強奪的な土地投資の抑制を働き掛けることが出来るだろう。
そして、国際的農地取引の多くに資金を提供している世銀は、地元への利益還元を融資の条件とすべきだ。先のワシントンでの会議は、世銀による前向きな影響力行使に希望を抱かせるものだった。
食糧需要や穀物価格の乱高下、人口増加や気候変動などの大きな問題は、農地不足に拍車をかける。農地への投資家が、より危険かつ暴力的な方法を採り、地域社会も、より暴力的に対抗するようになる可能性もある。
最初は金、次は石油、そして今度は貴重な土地をめぐる争奪戦が起きているのだが、世界の安定に対する警鐘も聞こえる。
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本記事は、米シンクタンク、ウィルソン・センターの研究員マイケル・クーゲルマン氏によるものです。記事における意見や見解は全てクーゲルマン氏個人のものです。