トルコ、「化学兵器」被害の患者の存在明かす シリア内戦
(CNN) シリア内戦で疑惑が深まる化学兵器の使用問題で、隣国トルコの消息筋は11日までに、化学兵器攻撃によるとみられる特異の症状を示す患者十数人がトルコの病院などで治療を受けていることを明らかにした。
シリア内戦の激化と共にトルコへ逃れるシリア住民は増加しており、国が設けた避難施設には19万人以上が収容されている。トルコの都市や町へ退避したシリア人も同数以上いるとみられる。
トルコ政府の調査結果などに通じているこの消息筋によると、化学兵器攻撃の犠牲者とみられる患者の症状は決して通常兵器が原因ではなく、試験結果などを見た場合、化学兵器による被害が疑われるという。
トルコのエルドアン首相は9日夜、米NBCテレビとの会見でシリア政府は化学兵器を使用していると非難。この兵器で負傷した患者がトルコの病院に搬送されているとも指摘していた。
首相は以前、シリアのアサド大統領とは盟友関係にあったが、内戦激化で反体制派の締め付けが強まると共に距離を置き始め、現在はアサド氏退任を再三要求している。
シリア内戦での化学兵器使用問題では、アサド政権と反体制派が相手の責任をそれぞれ非難している。CNNとの会見に先に応じたシリア外務次官は政府による化学兵器使用を否定し、トルコが反体制派に同兵器を供与していると糾弾していた。
一方、シリア反体制派の報道担当者は先週、CNNの取材に対し反体制派戦闘員が爆発しなかった化学兵器用とみられる容器を回収したと主張していた。
国連は専門家による国際チームをシリアに派遣し、化学兵器使用問題の真相を調査することを決め、シリア政府などとの調整を進めている。