ゾウの群れと列車が線路上で衝突、3頭死ぬ インド森林地帯
ニューデリー(CNN) インド東部にある西ベンガル州の森林地帯で先月30日、走行中の列車が線路を横断していたゾウの群れと衝突し、子ゾウを含む3頭が死ぬ事故が起きた。別の1頭の命が危ぶまれている。
同州の森林保護当局者によると、現場付近では列車とゾウが絡む事故がたびたび起きており、死んだゾウは2004年以降、最大で36頭となっている。
衝突の現場は、州都コルカタから北へ約620キロ離れたジャルパイグリ地区。事故原因の究明に当たる当局は、列車の当時の走行速度や線路上の視界の程度などを調べている。
列車が客車もしくは貨車だったのかは不明。ゾウとの衝突で列車が損傷したのかも伝えられていない。
過去の事故を受け鉄道運営当局は現場周辺地域に時速25キロの速度制限を敷いていた。ただ、今回の事故現場での制限速度は50キロだったという。
鉄道省などがゾウとの衝突事故の回避へ向けた対策を検討しているが、多数のゾウが生息する保護区周辺をう回する鉄道線路の敷設を提案したこともある。
自然保護団体などによると、インドに生息する野生のアジアゾウは推定約2万5000頭。保護区内外で人間の移住が加速する中で、生息地は狭まっているという。野生動物が都市周辺に出没する例もインド全土で増えており、北東部の住宅地では今年1月、迷い込んだヒョウが1人を殺害、2人を負傷させる騒ぎもあった。