衝突で死傷者、30日に大規模デモ控え エジプト
カイロ(CNN) エジプト北部のダカリヤ県で26日、ムルシ大統領の支持派と反対派が衝突し、当局者によると少なくとも1人が死亡。162人が負傷した。
30日には大規模な反政府デモが予定され、米大使館がこの日の一般向け業務中止を決めるなど緊張が高まっている。ムルシ氏は1年前の6月30日に大統領に就任した。
26日の衝突はダカリヤ県の中心都市マンスーラの野党勢力とイスラム系保守派の間で発生。商店や車などが破壊され、治安部隊が催涙ガスを使って鎮圧に当たった。マンスーラはムルシ大統領の支持母体、ムスリム同胞団の地盤となっている。
一方、国営通信社の報道によると、スエズ運河に面した港湾都市ポートサイドでは、反政府デモを3日後に控えて軍の配備が増強された。
デモを呼びかけた団体は、大統領の辞任と議会解散総選挙を求め、昨年の大統領選挙でムルシ大統領が集めた得票数を上回る1500万人の支持を獲得したと主張。ムルシ大統領について「一般人の生活を向上させるための政策を遂行できなかった」と批判している。
30日のデモで同団体は大統領の弾劾(だんがい)を要求する見通しで、26日までに約2000万の署名を集めたとしている。
ムルシ大統領を支持する強硬派のイスラム勢力サラフィーは、抗議デモに武力で対抗する構えを見せている。これに対してエジプト軍は、サラフィーが武力を行使した場合は介入すると表明した。