韓国、「開城」正常化への協議提案 北朝鮮の軟化姿勢受け
ソウル(CNN) 韓国政府は4日、操業停止中の南北協力事業「開城(ケソン)工業団地」の再開を目指した実務者協議の開催を北朝鮮に提案した。韓国統一省の報道官が会見で明らかにした。
北朝鮮が応じるなら、協議は南北軍事境界線の板門店(パンムンジョム)で6日に開きたいとしている。
北朝鮮は3日、同団地に入居する韓国企業の関係者が施設や設備点検のため団地に立ち入ることを認めるとの方針を表明。また、過去4カ月間、再三断絶していた板門店のホットラインの再開も発表していた。
韓国の実務者協議の提案は北朝鮮側のこれらの軟化姿勢を受けたものとなっている。
韓国統一省の報道官は実務者協議の提案について、韓国の入居企業が被っている損害への配慮とモンスーンの季節の開始などを踏まえたものと説明した。
北朝鮮内にある開城工業団地は今年5月、北朝鮮の核開発問題や弾道ミサイル配備などを背景にした朝鮮半島情勢の緊迫化に伴い、韓国企業の関係者の団地への立ち入り禁止など受けて操業停止に追い込まれていた。
北朝鮮はその後、米韓合同軍事演習の終了などと共に対話路線に転じ、6月には韓国との高級レベル協議の開催に合意。ただ、首席代表となる高官の地位をめぐって南北間で折り合いが付かず、この協議は棚上げとなっていた。
韓国の研究機関「統一研究院」の元幹部は、北朝鮮が今回示した開城工業団地への韓国側関係者の立ち入り許可の背景について北朝鮮は国際社会の圧力に根差すかつてない外交的な孤立感を痛感している可能性があると指摘。また、貴重な外貨獲得源となっている同団地の重要性を十分に承知しているとも分析した。