カイロの衝突で死者50人超、435人負傷
カイロ(CNN) エジプト首都カイロの大統領警護隊本部前で8日に起きた衝突による死者は、50人以上に上ったことが分かった。同本部には解任されたムルシ前大統領が拘束されているとみられる。
本部前には前大統領の支持派が結集し、鎮圧を図る軍と衝突。保健省当局者の発表によると、この衝突で51人が死亡、435人が負傷した。
目撃者らは、前大統領支持派が夜明けの祈りをささげようとしたところへ軍と警察が発砲したと話している。
これに対して内務省と軍の報道官は、「武装グループ」が爆弾や銃弾、石などで軍部隊を攻撃したため、やむなく応戦したと主張。前大統領支持派がうそをついていると批判した。
現場近くに住むある女性は「どちらが先に攻撃を仕掛けたのかは分からないが、双方が互いに銃を向け合って発砲していたのは確かだ」と話す。
現地のCNN取材班は現場近くにある救急施設で、上半身に無数の銃弾を受けた遺体少なくとも8体を確認した。同施設では医師らが負傷者の治療に当たっている。多数の患者を搬送するには、救急車が足りなかったとの報告もある。
内務省は軍兵士2人が撃たれて死亡したとの声明を出したが、この人数が保健省発表の死者数に含まれているかどうかは明らかでない。
国営テレビによると、マンスール暫定大統領はこの衝突に関する調査委員会の設置を指示した。欧州連合(EU)のアシュトン外交安全保障上級代表と米国務省のプサキ報道官は8日、それぞれ各勢力に自制と和解を呼び掛けた。