アシアナ航空、米テレビ局の提訴撤回 事故での名前「中傷」
(CNN) 米サンフランシスコ国際空港での韓国アシアナ航空機の事故に関連し、同航空は17日、操縦士らの名前を人種差別的にやゆして報道したサンフランシスコのテレビ局に対して検討していた提訴を取りやめると述べた。
CNN系列局KTVUが謝罪表明をしたことを受けた措置となっている。
同局は操縦士名を「サム・ティン・ウォン」などと伝えたが、架空の名前と判明し、「サムシング・ロング(何かがおかしい)」のアジア系なまりをやゆした表現との批判も起きていた。アシアナ航空は、間違った、不快な名前を報じることで同社の名誉が損なわれたなどと主張していた。
同航空は当初、事故原因を究明する米運輸安全委員会(NTSB)もKTVUとは別に提訴する方針も示していたが、同社の報道担当者はその予定はないと述べた。名誉毀損(きそん)訴訟において実害を証明する難しさに加え、KTVUが名前確認のための確認作業を行っていたことが少なくとも訴訟の法廷闘争で無罪につながる有利な材料になるとの指摘もある。
操縦士らの間違った名前はNTSBで研修中の人物が誤って伝えていたことが原因だった。ただ、架空の名前を作り出した人物はわかっていない。NTSBによると、既にインターン業務を離れた人物は関与していなかった。KTVUがこの名前を入手してNTSBに問い合わせたところ、インターンが確認し、報道につながっていた。