汚染水の海への漏出阻止で「凍土壁」を計画、福島第一原発
(CNN) 東京電力福島第一原子力発電所で汚染水が海に流出している問題で安倍晋三首相は8日までに、流出を阻止する複合的、迅速かつ効果が確実な防止措置を講じるよう指示した。原発建屋周辺で漏水を防ぐ土壌の「凍土化」などが検討されている。
首相は原子力災害対策本部で記者団に、汚染水の問題は「東電に完全に任せられる問題ではない。国レベルで対応しなければならない」とし、国民の強い懸念もあり早急な解決が必要とされると強調した。
その上で、経済産業相に適切な防止措置を打ち出すよう命じたと述べた。同省は地下水が建屋周辺に入り込み、放射能に汚染されてにじみ出すことを防ぐ「凍土」の壁を設けることを提案したという。
菅義偉官房長官は、この種の壁構築は前例がないとし、政府が主導権を持って進めなければならないと述べた。壁設置に必要な費用を政府が直接負担するともみられる。
東電は先月下旬になって、深刻な汚染水流出の問題を明らかにしていた。同社の原子力・立地本部幹部は今週、汚染された地下水が太平洋に漏出するのを防ぐため地中に遮水壁を設けたが事態の打開につながっていないと指摘。汚染水の太平洋への流出を制御出来ない厳しい状況にあるとの認識を示していた。