「イスラムは国」、失言連発の候補者が議会選から撤退 豪
(CNN) 9月に行われるオーストラリア議会選挙の女性候補者が、マスコミのインタビューでイスラムを国と呼ぶなどの間違いを繰り返し、選挙戦開始から48時間で立候補を辞退する結果となった。
溶接工で二児の母でもあるステファニー・バニスター氏(27)は、反移民を訴える極右政党「ワン・ネイション」の候補者で、クイーンズランド州ランキンで立候補していた。
バニスター氏はインタビューの中で「私はイスラムを国として批判はしないが、その法律はここオーストラリアで歓迎すべきものではない」と述べ、さらに「ハラムに従っているオーストラリア人は2%に満たない」と付け加えた。ハラムはイスラム教で禁止されている行為のことを意味するが、同氏がイスラム教の聖典「コーラン」の意味で述べたのか否かは定かではない。
さらにバニスター氏は、さまざまな宗教を混同しているかのような発言を行った。
同氏は「ユダヤ人はハラムに従ってはいない。彼らにはイエス・キリストの教えに従う彼ら自身の宗教がある」と述べた。しかしユダヤ教は、キリストの誕生前から存在する旧約聖書に基づいている。
バニスター氏の間違いは、宗教だけにとどまらない。同氏は、2016年に施行予定の身体障害者向けの保険制度について「現在、すでに施行されている」と発言したという。
バニスター氏のインタビューが放送されたか否かは定かではないが、あっと言う間に広まった。バニスター氏は、「イスラムの国々」と言い直すなど、発言を訂正したにもかかわらず、インタビューを行った放送局が編集でカットしたと批判している。
バニスター氏は10日に家族が脅迫を受けたとして選挙戦から撤退。同氏の選挙戦は、開始からわずか48時間で幕を閉じた。