シリア政権の化学兵器使用を「ほぼ断定」 米当局者
これについて米政府高官は25日、「もしシリア政府に何も隠すことがなく、化学兵器を使っていないと世界に証明したいのであれば、5日前の時点で直ちに同地での攻撃をやめ、国連による現地調査を認めていたはずだ」と指摘。しかしこの5日間で政権側が砲撃などの「意図的な行為」を続けた結果、証拠は破壊され、調査団が信頼に足る情報を得ることはできなくなったとの見方を示した。
同高官はさらに、「被害者の数や伝えられる症状、目撃者の証言など、米情報機関やパートナー諸国が収集した情報から判断すると、今回の事件でシリア政権が市民に対して化学兵器を使ったことに疑念の余地はほとんどない」と断言。「化学兵器の無差別使用に対してどう対応すべきかを米大統領が判断できるよう、事実関係の調査を続けている」とした。
米議会外務委員会委員の有力議員からは、米国がシリアを攻撃すべきだとの声も出ている。
これに対してロシア外務省は米国に対し、「過去の過ちを繰り返さないよう強く求める」と牽制。「10年前、イラクが大量破壊兵器を保有しているとの誤った情報にかこつけて、米国が国連を飛ばして無謀な作戦を開始したことを思い起こさせる。結果は誰もが知っている通りだ」と指摘した。