パナマ政府、「北朝鮮船の武器運搬は国連決議違反」
(CNN) 7月に中米パナマで拿捕(だほ)された北朝鮮の貨物船から戦闘機などの武器が見つかった問題で、パナマ政府は28日、国連安全保障理事会の武器禁輸決議に違反していたとする声明を発表した。
貨物船はキューバで武器を積み込み、パナマ運河を通過しようとしていた。キューバ政府は7月、武器は修理のために北朝鮮に送ったとする声明を出していた。
パナマ政府は、この問題を調査していた国連の専門家パネルの1次報告書に言及し、「北朝鮮船に載せられていたキューバの武器が国連の武器禁輸措置に違反していたことはあきらか」と指摘した。
パナマ当局によれば、貨物船にはミグ戦闘機や対空ミサイルシステムなどが積まれていた。
ジェーン・ディフェンス・ウィークリーのアジア太平洋担当エディター、ジェームズ・ハーディ氏は、「北朝鮮は自国のミグ21を維持することに強い関心をもっている」「おそらく50年程前の飛行機だが、速度も出るし空中戦でも十分使える」と述べる。
パナマ政府関係者は28日、北朝鮮の外交官と会談し、35人の北朝鮮乗組員の送還手続きを開始することで合意した。船は臨検の際に乗務員に破壊されて航行不能になっているが、修理が終わり次第、北朝鮮に返還されるとみられる。
北朝鮮とキューバの間の武器のやりとりは何十年も前から行われているとされる。
キューバのフィデル・カストロ前国家評議会議長は7月、1980年代に北朝鮮からライフルを10万丁贈られたとする文章を発表した。カストロ前議長は、「北朝鮮は1銭たりとも金は要求しなかった」としている。