インド集団レイプ殺害事件、4人に死刑求刑
ニューデリー(CNN) インドの首都ニューデリーで昨年12月に女子学生(当時23)がバス車内で強姦され死亡した事件で11日、殺人罪などで有罪となった男4人に対する量刑を決めるための審理が行われた。
検察官は「極端な残虐性」を理由に死刑が相当だと主張。「力の弱い若い女性を拷問にかけるなど、これほど悪質な事件はない」と述べた。
一方、被告人の弁護士は、「(こうした事件では)終身刑が決まりであり、例外的な場合にのみ死刑が適用されるということを裁判所は留意すべきだ」と寛大な判決を求めた。
裁判長は検察と弁護側の双方の主張を聞き、13日に量刑を言い渡す予定だ。
極刑を求める意見は被害者の遺族をはじめとして多くのインド国民からも聞かれる。この日も審理が行われた裁判所の外では人々が集まり、「強姦犯に死刑を」と声を上げた。
この10年、インドでは死刑判決が下りても執行されるケースは非常に少ない。2004年以降、死刑が執行されたのは、昨年末に08年のムンバイ同時テロの実行犯が絞首刑になった1件のみだ。
だが人権活動家からは、インドの死刑執行に対する姿勢が変わったことを懸念する声が聞かれ、国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウォッチの南アジア担当ディレクター、ミーナクシ・ガングリ氏は、「これまでインドは死刑を認めない立場を採ってきたが、この1年でその姿勢は大きく後退した」と語っている。