アルジェリア人質事件、「軍に警備依存」 被害企業の報告書
(CNN) アルジェリアで今年1月に日本人を含む30人以上が死亡した天然ガスプラント襲撃事件で、ノルウェーのエネルギー大手スタトイルは12日、調査報告書を発表し、警備上の不備と警備を任されていた軍に襲撃への備えがなかった点が事件を招いた2大要因だったと指摘した。
事件ではスタトイルの従業員も人質となり、うち5人が死亡。報告書によれば、ガスプラントに関わっていた企業はいずれも、これほど大規模な集団による襲撃を予想していなかったという。
また報告書によれば、企業側は警備をアルジェリア軍に過度に依存していた。だが軍は「襲撃犯が接近しているのに気づくことも、それを阻止することもできなかった」
天然ガス施設は英エネルギー大手BPとスタトイル、そしてアルジェリア国営エネルギー企業ソナトラックが共同で操業していた。
報告書は「テロ攻撃は予想外の事件だった」としつつ「これは今日、スタトイルのような企業が深刻な安全上の脅威に直面していることをはっきり示している」と指摘。
また報告書は、襲撃に対して異なる対応を取ったとしても同じような被害が出ただろうとする一方で、施設が今回のような大規模な襲撃に対応できるように設計されていなかった点を教訓として挙げている。
アルジェリア当局は事件について、隣国マリに軍事介入を行うフランス軍に対し、アルジェリア政府が領空通過を許可したことへの報復だったとみている。当時マリではイスラム系武装組織による紛争が起きていた。
同事件では、イスラム過激派組織「イスラム聖戦士血盟団」のモフタール・ベルモフタール司令官が犯行声明をだし、首謀者とされている。