北朝鮮、寧辺の原子炉を再稼働か 米大分析
香港(CNN) 米ジョンズ・ホプキンス大学の北朝鮮研究グループは13日までに、北朝鮮の寧辺(ヨンビョン)にある核施設を撮影した衛星画像から、原子炉が稼働中または稼働が近いとの分析を示した。
研究グループ「38ノース」は8月31日以降の衛星画像を分析。画像からは原子炉の蒸気タービンと発電機が格納されているとみられる建物から2筋の蒸気が上がっている様子がわかったという。
米シンクタンク「アジア・パシフィック・グローバル・リサーチ・グループ」のジャスパー・キム氏は、北朝鮮が武装化を進めるのに再稼働を必要としていると指摘。「少なくとも核能力があると相手に思わせなければ、北朝鮮は交渉力をほとんど失う」と分析する。
国営朝鮮中央通信は4月、北朝鮮が「(寧辺の)全ての核施設の再調整と再稼働を行う」と発表した。寧辺にはウラン濃縮プラントと原子炉がある。
8月、米シンクタンク「科学国際安全保障研究所(ISIS)」のデービッド・オルブライト氏らは北朝鮮が寧辺のウラン濃縮施設の建物を大きく拡張したとのリポートを発表した。拡張により「北朝鮮はプルトニウムの備蓄を増やす能力とともに、兵器級の高濃縮ウランを作る能力も手にした」と指摘。北朝鮮は2~3年のうちにプルトニウムを自力で作れるようになる可能性があるとの見方を示す。
だが同氏らは、北朝鮮が新たに生産したプルトニウムで核兵器を作る前に原子炉稼働停止の話し合いをする時間は残っているとも言及。もし停止が今後6カ月の間に実現すれば、「原子炉から生成されるプルトニウムは非常に少量ですむだろう」と述べる。