シリア国連報告書、サリン使用を断定
報告書によると、現場では攻撃前後に気温が下がった影響で空気が上から下へ流れ、ガスが市民の避難する建物の1階や地下室へ入り込んだために被害が拡大した。
ただ、調査団の任務に化学兵器使用の責任者を追及することは含まれていない。潘事務総長は、どちらの仕業だったかについて見解を述べなかった。
一方、国連安全保障理事会の議長国オーストラリアのクインラン国連大使は、報告書によって「政権側が化学兵器を使ったことが確認された」と主張。米国のパワー国連大使も、報告書は政権側による使用を示すものだと述べた。パワー大使は「アサド政権はサリンを保有しているが、反体制派が持っているとの証拠はない」「政権側の支配地域に入り込み、そこから反体制派の地域を攻撃するという行動を、反体制派が取るとは思えない」と述べた。
これに対してロシアのチュルキン国連大使は、反体制派の仕業だった可能性は否定できないと反論。反体制派が当時、ただちに被害を報告しなかったのはなぜかと問い掛けた。