「イランのスパイを拘束」 イスラエル当局
エルサレム(CNN) イスラエル政府は29日、イラン出身の男を同国のスパイとして活動していた疑いで拘束したことを明らかにした。男はテルアビブの米大使館など、さまざまな場所の写真を持っていたという。
イスラエル政府の発表によると、この男はアリ・マンスーリ容疑者。イランで生まれたが一時期ベルギーに住み、2006年に同国籍を取得。12年にイラン当局の勧誘を受けてスパイ活動を始めたとされる。今月11日の拘束時には、イスラエルのベングリオン空港から別の名前を使って出国しようとしていた。
イスラエル政府によれば、同容疑者はイラン特殊部隊の指示の下、イスラエルで実業家を装いつつスパイ網を立ち上げようとしていた。イラン側から100万ドル(約1億円)の報酬を約束されていたという。
一方、同容疑者の弁護士はCNNとのインタビューで、「事実はイスラエル側の主張より複雑だ。本人にはイスラエルに危害を加える意図はなかった」と述べた。イラン外務省の報道官は、調査が完了してからコメントを出すとしている。
イランのロハニ大統領が先週、国連総会での演説で欧米との対話姿勢を示したのに対し、イスラエルのネタニヤフ首相は「その場しのぎのごまかしにはだまされない」と語るなど、強い反発を示していた。