ギリシャの極右党首、国会議員ら逮捕 犯罪組織の結成容疑で
アテネ(CNN) ギリシャの首都アテネの警察は28日、極右政党「黄金の夜明け」のニコス・ミハロリアコス党首と同党所属の国会議員4人らを犯罪組織を結成した容疑で逮捕したと発表した。
逮捕は、同党支持者によるとされる反ファシズムの活動家だった有名歌手の刺殺事件の捜査に伴うもの。地元警察によると、党員を含む少なくとも10人が同じく逮捕された。全国規模での同党摘発に伴い30人以上に逮捕状が出た。別の国会議員1人の行方も追っている。
政党指導者や国会議員が逮捕されたのは、7年間の軍政をへて民主政治が復活した1974年以降、初めて。ただ、国会議員は有罪確定まで議席を維持出来る。ギリシャ憲法は政党の禁止を認めていない。
反移民政策などを主張する黄金の夜明けは昨年の総選挙で、債務危機に伴う緊縮政策への有権者の不満をすくいとって躍進、投票総数の7%を得て国会で初の議席を獲得していた。
有名歌手の刺殺事件で警察は黄金の夜明けの事務所を捜索すると共に、殺害を自供したとして同党支持者を逮捕。この逮捕を受け、アテネ郊外にある労働者の居住区では先週、衝突事件が発生、黄金の夜明けの関与が取り沙汰されていた。
ミハロリアコス党首は歌手殺害事件への自党の関与を否定したが、同党の解党を求める声が改めて高まっていた。
最近発表された複数の世論調査では、黄金の夜明けの支持率は最高12%に増加。ただ、歌手殺人事件の発覚後は減少が目立ち、地元紙エレフテロス・ティポスが今月19日に発表した調査では15日時点での8.3%から5.8%に後退していた。
同党の支持率は、債務危機に襲われる前の2009年にはわずか0.3%だった。