亡命の夢が目前で破れ送還――9人の若き脱北者たちの運命は
若者たちが出発した後、夫妻は入国管理局の事務所に約2時間閉じ込められたという。
そして国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)から、かれらが中国経由で北朝鮮へ送還されたと知らされた。「あの子たちは韓国に行くと思い込んでいたのに」――夫妻は衝撃を受け、若者たちの絶望を思って心を痛めた。
その9人が6月、北朝鮮のテレビ番組に登場した。政治宣伝に使われているのだろう。「だまされて外国へ逃げたが金正恩(キムジョンウン)第1書記に救われ、帰ってこられたことを感謝する」などと話していた。
M.J.さんは「この宣伝活動が終わった後、何が起きるのかが心配だ。私たちが目を離せば、あの子たちは永遠に行方が分からなくなってしまうだろう」と懸念を示す。
ラオスは国連や人権団体からの非難に対し、「若者たちは不法入国だった」「夫妻の行為は事実上の人身売買だ」と主張した。
韓国外務省はCNNに「この件については問題点を調査中」と語り、すでに脱北者への支援体制を改善、強化したと話している。